映画「フライト」

ロバート・ゼメキス監督について

映画「フライト」の監督を務めたロバート・ゼメキスは、アメリカの映画監督・脚本家です。1985年の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一世を風靡し、1994年の「フォレスト・ガンプ」ではアカデミー賞も受賞しました。CGやVFXに定評があり、近年は「ポーラー・エクスプレス」、「ベオウルフ/呪われし勇者」、「Disney's クリスマス・キャロル」など3DCGで製作されたアニメーション映画を積極的に制作しています。


プロフィール

1952年5月14日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴに生まれました。高校生の時から8㎜で映画撮影を始めます。高校卒業後はイリノイ大学に入学しますが、その後南カリフォルニア大学に編入し、1973年に卒業しました。学生時代に監督した「Field of Honor」がスチューデント・アカデミー賞を受賞しました。この作品がスティーヴン・スピルバーグ監督の目に留まり、大学の先輩で「地獄の黙示録」の脚本家としてしられるジョン・ミリアスの紹介で、スピルバーグの作品「1941」の脚本を大学の同級生のボブ・ゲイルと共に執筆しました。1978年には、スピリバーグ製作総指揮の下、カルト的傑作とも評価されている「抱きしめたい」で、早くも監督デビューを果たします。1985年には「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を監督。この作品が大ヒットしたことで、一躍メジャー監督となりました。1994年には、トム・ハンクス主演で知的障害を持つ男性が激動のアメリカを生き抜く感動のドラマ「フォレスト・ガンプ/一期一会」を監督しました。この作品でゼメキスは、念願のアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞しています。


映画「フライト」についてのインタビュー

ロバート・ゼメキス監督は映画「フライト」についてのインタビューの中で、「フライト」の深い所を探るのに役立つヒントになるようなエピソードを幾つか語っています。まず私が印象的だったのは、ウィトカーとヒューの関係についてです。監督がウィトカー役のデンゼル・ワシントンと話し合った結果得られたことは、「ウィトカーはヒューが嫌いだ」ということなのだそうです。ウィトカーはヒューがいなければ飲酒していたことがばれて終身刑です。ですが、人に頼らなければならない現状に(自分が招いたにも関わらず)不満を持っていて、なぜそうなったのか理解できず、ヒューに食ってかかるのだ、と監督は語っています。また、ジョン・グッドマンが演じるウィトカーの悪友・ハーリンについては、劇中でもっともコメディーの要素が強い役で、ジョン・グッドマンの間の取り方が絶妙だったお陰で上手くいったと語っています。もっと出番を増やしたかったぐらいだったそうです。監督は演じたジョン・グッドマンを「最高の演技だった」と絶賛していました。また、大迫力の飛行機墜落シーンについては、「間違いなく一番大変なシーンだった」と述べました。飛行機のシーンでは回転するマシーンの上に操縦席と客席を作り、さらにそれを振動するマシーンに乗せて撮影したそうです。キャスト50人を全員逆さ吊りにして挑んだ背面飛行のシーンは、特に大変で、また多くの危険をはらんだ撮影だったそうです。あの大迫力のシーンはキャストとスタッフの大変な努力の上に成り立っていたのですね。


主な監督作品

1978年「抱きしめたい」
・・・監督でデビュー作。1964年にニューヨークにやってきたビートルズを見に行こうとするニュージャージー州の田舎者の若者たちを描く。
1980年「ユーズド・カー」
・・・上院議員になるという目標のために中古車販売会社で働く営業マンの主人公が、社長が亡くなったことで会社を乗っ取り、大儲けしようと画策するというストーリー。
1984年「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」
・・・人気女流小説家が、誘拐された姉を助けるために向かったコロンビアで、伝説のエメラルドを巡る争奪戦に巻き込まれるというお話。
1985年「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
・・・言わずとしれたSF映画の最高傑作。公開当時は全米で「フューチャー現象」と呼ばれるブームが生まれる程の大ヒットとなった。
1986年「世にも不思議なアメージング・ストーリー」
・・・一話完結のオムニバス映画。エピソードごとに監督や主演が異なり、内容もホラーやSF、ファンタジー、コメディーなど様々。
1988年「ロジャー・ラビット」
・・・アニメのキャラクターたちが実社会に存在しているという設定で、キャラクターと人間の関係を描いたコメディ作品。先に撮影した実写にアニメ―ションを合成する形で制作された。
1989年「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」
・・・「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編。今回は未来へと旅立ち、正しい未来を取り戻すために戦う。
1990年「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」
・・・「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」の続編。再び過去へと旅立ち、殺される予定のドクを助けるために奔走する。シリーズ完結篇。
1991年「ハリウッド・ナイトメア」
・・・HBOが製作したオムニバス・テレビドラマ。ゼメキス以外にも、ウォルター・ヒルやリチャード・ドナーなど、ハリウッドの第一線で活躍する巨匠が監督したエピソードも少なくない。
1992年「永遠に美しく・・・」
・・・不老不死の秘薬を飲んだ女性たちの騒動を通して、いつまでも若く美しくありたいという願望をブラックに描いたコメディ作品。
1994年「フォレスト・ガンプ/一期一会」
・・・人より知能指数は劣るが、純真な心と周囲の人々の協力を受けて数々の成功を収めていく主人公の半生を、アメリカの歴史を交えながら描いたヒューマンドラマ。
1997年「コンタクト」
・・・カール・セーガンによるSF小説の映画化作品。SETIプロジェクト、人類と宗教、科学、政治、地球外生命などをテーマにする娯楽SF映画。
2000年「キャスト・アウェイ」
・・・飛行機の事故で無人島に流れ着いたチャック・ノーランドが、たった一人でサバイバル生活をしていくさまを描いた作品。
2000年「ホワット・ライズ・ビニース」
・・・娘が大学進学で独立したっことをきっかけに、田舎町に引っ越してきたある夫婦が、家の中で起こる様々な奇妙な出来事に翻弄されていくというサスペンス・スリラー。
2004年「ポーラー・エクスプレス」
・・・クリス・ヴァン・オールズバーグが1985年に出版した同名の絵本をフルCGアニメーションで映画化した作品。
2007年「ベオウルフ/呪われし勇者」
・・・8世紀ごろに成立したと考えられている叙事詩「ベオウルフ」を元にした3D映画。
2009年「Disney's クリスマス・キャロル」
・・・チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」をCG技術によって映画化した作品。ジム・キャリーがスクルージを演じた。
2012年「フライト」
・・・「キャスト・アウェイ」以来12年振りにゼメキスが手掛けた実写映画。ゼメキスが脚本にほれ込んで映画化した。

作品の特徴

ゼメキスの作品は、何気ないシーンにCGやVFXを駆使することが多いことで知られています。「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」での未来のマーティー一家のシーンや「フォレスト・ガンプ/一期一会」でのジョン・F・ケネディやジョン・レノンとの共演シーン等、観客がそれと気づかないようなシーンで恐ろしいまでの手間を掛けた視覚効果を施したりしています。また、「ロジャー・ラビット」のようにアニメーションのキャラクターと現実の登場人物の両方が違和感なく存在する世界観を構築するなど、常に自作に最新の映像テクニックを組み入れようとする姿勢で、VFXファンの高い支持を得ています。近年では3DCGの可能性を追求しており、「ポーラー・エクスプレス」や「ベオウルフ/呪われし勇者」といった近作にその傾向が見られます。